太陽と雪
「コラ。
主役の2組が来ないと、始められないでしょ。
麗眞くん、相沢さんには優しくしなさいよ。
私や拓実、私の先輩方も手伝って、大手術したんだから。
銃弾が貫通してなかったら、今頃こうして生きて会えてなかったんだからね?
まぁ、彼は治りが早かったから。
彼の初恋の想い人さんは、あと1週間くらい入院だけどね。
経過が良ければ早まるかもしれないけれど」
理名ちゃんはそう言って、俺と椎菜、深月ちゃんと道明を先導するように歩いて行った。
席に着くと、同じ高校だった男子数人もいて、半ば同窓会のような雰囲気だった。
椎菜は元々酒が飲めないため、止めるまでもなくワインに似せたブドウジュースで応じてくれた。
だが、深月ちゃんが道明の何度目かの静止でやっと、ぶどうジュースでの乾杯となった。
説得の過程で、椎菜だけでなく深月ちゃんも妊娠したということが、バラすまでもなく周知の事実となってしまった。
「いいなぁ。
深月と秋山くん、麗眞くんと椎菜の子供が同級生かぁ。
美香は誰とも被らないから羨ましい」
美冬ちゃんまでそんなことを言っている。
そういえば、学生時代のメンツの中で一番早く人の親になったのは美冬ちゃんと賢人だったか。
この二次会は最後までいないという2人。
育休は取得済みだというが、やはりそれでも育児というものは心をすり減らすようだ。
たまにはこういう場もいいと言って、はしゃいでいた。
理名ちゃんや拓実、深月ちゃんや道明、高沢や朱音さんによるダンスや、母校からのビデオレターの余興を盛り上げていた。
挙式と披露宴、二次会の間は、愛娘の美香ちゃんを宝月の専属保育士に預けていた。
いい頃合いで、大事な娘を迎えに行った彼ら。
待機させていた宝月の運転手の車に乗り、そのまま帰宅の途についた。
美冬ちゃんと賢人は、ここまでしてもらうのは悪いと、送迎を一度は断っていた。
「いいから。
無理矢理公共交通機関で帰らせて、何かトラブルに巻き込まれたりしたら困るし。
せっかく来てくれたからには、無事に家まで帰らせる。
それが集まりに招いたものの責務みたいなもんだし。
気にせず、送ってもらえ」
「変わらねぇな。
そういうとこ。
じゃ、お言葉に甘えさせてもらう。
美冬も美香も眠そうだし。
サンキューな。
久しぶりに懐かしい顔見れて、騒げて楽しかったわ。
美冬の楽しそうな顔も久しぶりに見た気がする。
たまにはこうして昔の仲間で集まるの、いいな。
お前らも元気でやれよ」
賢人はそう言って、俺に手を振ると、会場を後にしたのだった。
美冬ちゃんと賢人が帰って、そろそろお開きにするか、という号令が掛かった。
それとほとんど同時に、会場内がざわついた。
理名ちゃんや拓実、高沢や朱音さんが駆け寄っているところを見ると、彼らに任せた方が良い領域か。
反射的に身体が動いた理名ちゃんを、拓実が止めていた。
「理名。
気持ちは分かるけど。
サポートに回るんだ。
身体に強い薬打ったんだから、それで丁度いいくらいだよ。
服薬自殺未遂じゃなくて、過労死されたら俺が困る」
は!?
それ、って……
理名ちゃんが、そんなことをしたなんて。
学生時代の彼女からは、想像がつかない。
「理名は私と深月が引き受けるわ。
拓実くんたちは行って。
おそらく急性アルコール中毒ね。
ハメ外しがちな人によくあるタイプね。
ここからなら、自分たちの病院より、拓実くんの両親がいる病院の方が処置までの時間は短くて済むかしら」
そう言って現れたのは、ウェディングプランナーとして、俺と椎菜、深月ちゃんと道明のサポートをしてくれた、華恋ちゃんだった。
主役の2組が来ないと、始められないでしょ。
麗眞くん、相沢さんには優しくしなさいよ。
私や拓実、私の先輩方も手伝って、大手術したんだから。
銃弾が貫通してなかったら、今頃こうして生きて会えてなかったんだからね?
まぁ、彼は治りが早かったから。
彼の初恋の想い人さんは、あと1週間くらい入院だけどね。
経過が良ければ早まるかもしれないけれど」
理名ちゃんはそう言って、俺と椎菜、深月ちゃんと道明を先導するように歩いて行った。
席に着くと、同じ高校だった男子数人もいて、半ば同窓会のような雰囲気だった。
椎菜は元々酒が飲めないため、止めるまでもなくワインに似せたブドウジュースで応じてくれた。
だが、深月ちゃんが道明の何度目かの静止でやっと、ぶどうジュースでの乾杯となった。
説得の過程で、椎菜だけでなく深月ちゃんも妊娠したということが、バラすまでもなく周知の事実となってしまった。
「いいなぁ。
深月と秋山くん、麗眞くんと椎菜の子供が同級生かぁ。
美香は誰とも被らないから羨ましい」
美冬ちゃんまでそんなことを言っている。
そういえば、学生時代のメンツの中で一番早く人の親になったのは美冬ちゃんと賢人だったか。
この二次会は最後までいないという2人。
育休は取得済みだというが、やはりそれでも育児というものは心をすり減らすようだ。
たまにはこういう場もいいと言って、はしゃいでいた。
理名ちゃんや拓実、深月ちゃんや道明、高沢や朱音さんによるダンスや、母校からのビデオレターの余興を盛り上げていた。
挙式と披露宴、二次会の間は、愛娘の美香ちゃんを宝月の専属保育士に預けていた。
いい頃合いで、大事な娘を迎えに行った彼ら。
待機させていた宝月の運転手の車に乗り、そのまま帰宅の途についた。
美冬ちゃんと賢人は、ここまでしてもらうのは悪いと、送迎を一度は断っていた。
「いいから。
無理矢理公共交通機関で帰らせて、何かトラブルに巻き込まれたりしたら困るし。
せっかく来てくれたからには、無事に家まで帰らせる。
それが集まりに招いたものの責務みたいなもんだし。
気にせず、送ってもらえ」
「変わらねぇな。
そういうとこ。
じゃ、お言葉に甘えさせてもらう。
美冬も美香も眠そうだし。
サンキューな。
久しぶりに懐かしい顔見れて、騒げて楽しかったわ。
美冬の楽しそうな顔も久しぶりに見た気がする。
たまにはこうして昔の仲間で集まるの、いいな。
お前らも元気でやれよ」
賢人はそう言って、俺に手を振ると、会場を後にしたのだった。
美冬ちゃんと賢人が帰って、そろそろお開きにするか、という号令が掛かった。
それとほとんど同時に、会場内がざわついた。
理名ちゃんや拓実、高沢や朱音さんが駆け寄っているところを見ると、彼らに任せた方が良い領域か。
反射的に身体が動いた理名ちゃんを、拓実が止めていた。
「理名。
気持ちは分かるけど。
サポートに回るんだ。
身体に強い薬打ったんだから、それで丁度いいくらいだよ。
服薬自殺未遂じゃなくて、過労死されたら俺が困る」
は!?
それ、って……
理名ちゃんが、そんなことをしたなんて。
学生時代の彼女からは、想像がつかない。
「理名は私と深月が引き受けるわ。
拓実くんたちは行って。
おそらく急性アルコール中毒ね。
ハメ外しがちな人によくあるタイプね。
ここからなら、自分たちの病院より、拓実くんの両親がいる病院の方が処置までの時間は短くて済むかしら」
そう言って現れたのは、ウェディングプランナーとして、俺と椎菜、深月ちゃんと道明のサポートをしてくれた、華恋ちゃんだった。