太陽と雪
奇しくも今日は、私の、31回目の誕生日だ。
それももうすぐ終わってしまう。
特にケーキを食べたいとか、誰かから盛大に祝われたいとか、そんな歳でもない。
30代になってから、昔のように食べ物も、甘いものもあまり量が入らなくなってきた。
「いいなぁ、結婚って」
親友の美崎も、相沢さんと婚約して、挙式の日取りの話まで出ているという。
順番、おかしくない?
まぁ、幸せそうだからいいけれど。
彼女は決して幸せとは言えない出自だからこそ、心から幸せになってほしいものだ。
「おや。
そんなにいいなら、私と結婚いたしますか?
彩お嬢様」
その返事を待たずに、矢吹の綺麗な顔が近づいて来たかと思うと、唇に温かい感触を感じた。
あれ?
今の……
もしかして……
もしかしなくても……
キス、ってやつ?
私のファーストキスは、私に仕える執事に奪われたことになる。
もしかすると、あと数分後の未来では、執事ではないかもしれないが。
「お嬢様。
いいえ、彩。
31歳のお誕生日、誠におめでとうございます。
ささやかながら、私からのプレゼントでございます。
彩がご所望でしたら、私の人生をまるごと差し上げてる覚悟は出来ております」
「ちょっとストップ!
まだ恋人でもないのに、いきなりプロポーズは困るわ」
しかも、さり気なく下の名前を呼び捨てにされて、不覚にも心臓の鼓動は早い。
今から不意に抱きしめられたりしたら、心臓の鼓動を彼に聞かれやしないか。
何それ、恥ずかしすぎて死にそう!
「では、今から恋人になってみますか?
……彩」
え。
こい……びと……?
恋人って、何するの?
1番に頭に浮かんだ、私の弟が最愛の妻(私にとっては義理の妹だが)に良くしていることを思い浮かべてみる。
答えは1つだった。
さっき彼が私にしてくれたように、私の唇を、そっと矢吹……
いや、涼のそれに重ねた。
「私といれば、キスなどすぐに上手くなりますよ。
可愛らしいお方だ、彩は。
鉄の理性を抑えるのは、今夜は無理かと思います」
「あら、そこは抑える必要はなくってよ。
もう、涼は私の恋人でしょう?
素敵なプレゼントをありがとう、涼」
「我がお嬢様は大胆なお方だ。
私は、既に好きという感情は通り越して、愛しておりますよ、彩。
今夜は寝かせませんよ?」
容赦なく涼に抱き抱えられて、自分の部屋ではなく、涼の部屋のベッドにゆっくりと寝かされる。
もう、涼は私の『執事』じゃなくて『恋人』なんだなぁ……
それももうすぐ終わってしまう。
特にケーキを食べたいとか、誰かから盛大に祝われたいとか、そんな歳でもない。
30代になってから、昔のように食べ物も、甘いものもあまり量が入らなくなってきた。
「いいなぁ、結婚って」
親友の美崎も、相沢さんと婚約して、挙式の日取りの話まで出ているという。
順番、おかしくない?
まぁ、幸せそうだからいいけれど。
彼女は決して幸せとは言えない出自だからこそ、心から幸せになってほしいものだ。
「おや。
そんなにいいなら、私と結婚いたしますか?
彩お嬢様」
その返事を待たずに、矢吹の綺麗な顔が近づいて来たかと思うと、唇に温かい感触を感じた。
あれ?
今の……
もしかして……
もしかしなくても……
キス、ってやつ?
私のファーストキスは、私に仕える執事に奪われたことになる。
もしかすると、あと数分後の未来では、執事ではないかもしれないが。
「お嬢様。
いいえ、彩。
31歳のお誕生日、誠におめでとうございます。
ささやかながら、私からのプレゼントでございます。
彩がご所望でしたら、私の人生をまるごと差し上げてる覚悟は出来ております」
「ちょっとストップ!
まだ恋人でもないのに、いきなりプロポーズは困るわ」
しかも、さり気なく下の名前を呼び捨てにされて、不覚にも心臓の鼓動は早い。
今から不意に抱きしめられたりしたら、心臓の鼓動を彼に聞かれやしないか。
何それ、恥ずかしすぎて死にそう!
「では、今から恋人になってみますか?
……彩」
え。
こい……びと……?
恋人って、何するの?
1番に頭に浮かんだ、私の弟が最愛の妻(私にとっては義理の妹だが)に良くしていることを思い浮かべてみる。
答えは1つだった。
さっき彼が私にしてくれたように、私の唇を、そっと矢吹……
いや、涼のそれに重ねた。
「私といれば、キスなどすぐに上手くなりますよ。
可愛らしいお方だ、彩は。
鉄の理性を抑えるのは、今夜は無理かと思います」
「あら、そこは抑える必要はなくってよ。
もう、涼は私の恋人でしょう?
素敵なプレゼントをありがとう、涼」
「我がお嬢様は大胆なお方だ。
私は、既に好きという感情は通り越して、愛しておりますよ、彩。
今夜は寝かせませんよ?」
容赦なく涼に抱き抱えられて、自分の部屋ではなく、涼の部屋のベッドにゆっくりと寝かされる。
もう、涼は私の『執事』じゃなくて『恋人』なんだなぁ……