太陽と雪
「ごめんなさいね。
昨夜疲れてたのか、目覚ましかけずに寝ちゃったから」
「珍しい。
姉さんがエロくない普通の格好してる。
明日雪でも降るのかな」
私がエントランスに来るなり、そんな言葉を私に言い放つ。
「ふ……普通の格好って何よ!
昨日も普通だったわよ!」
相変わらず一言多い。
それに対して悪びれる様子もない我が弟。
パパかママは教育の仕方を間違えたわね。
「そう?
昨日だってホテル戻ればいつも宝月の屋敷にい
るときみたいな格好してたじゃん。
平気でノースリーブのワンピース1枚とかさ。
袖が短いブラウスとミニスカートとかさ。
大体、アラサーでミニスカート、イタいとか思わないの?
椎菜だって、まぁアイツは昔からそこまでミニスカート履く頻度多くなかったから安心してたけどさ。
その椎菜だって年相応にOLっぽい格好してたぜ?
姉さんがいつも屋敷にいるときみたいな露出多い格好ってさ……
本人は無意識だとしてもオトコを疼かせるには充分なわけ。
オトコって単純だから。
矢吹さんの身にもなれっつーの。
矢吹さんに鉄の理性でもあれば別だけど」
「どういう意味よ?
全くもう!
意味分かんないわ。
そこまでラフな麗眞を見たの、貴方が高校生の頃以来な気がするわ」
Tシャツにチェックシャツにジーンズって。
ちょっと新鮮。
そして、一言多いのにはもういつものことなのでツッコまない。
だが、姉である身内の私と愛しい人を比べるのはどうかと思う。
「矢吹さんも私も、少しでも一般のものに紛れるため、このような格好を麗眞坊っちゃまに推奨したのでございます。
私も、このような麗眞坊っちゃまを拝見するのは久しぶりです」
なるほど……いつもみたく、テーマパーク1ヶ月貸切とか……できないんだもんね。
パパがこのパークを運営してる会社の株主だから、頼めばできるけど……
まあ、どうせ明日1日はずっとホテルにいるんだし、いいか。
「ふーん……
そうなのね……」
「そうでございますよ、彩お嬢様。
まあ、白地の花柄ワンピースにベージュのカーディガンという普通の格好も、彩お嬢様の美しさの前では無意味かと」
「何よ矢吹!
貴方……熱でもあるわけ?
貴方が素直に褒めるなんて……」
「お嬢様、私はいつも彩お嬢様を誉めているはずですが……」
「ふふ、冗談よ。
本気にしないで。
ホント、冗談の通じない執事」
「さあ、参りましょうか」
相沢さんの鶴の一声で、矢吹と彼を先頭に、エントランスに向かう。
昨夜疲れてたのか、目覚ましかけずに寝ちゃったから」
「珍しい。
姉さんがエロくない普通の格好してる。
明日雪でも降るのかな」
私がエントランスに来るなり、そんな言葉を私に言い放つ。
「ふ……普通の格好って何よ!
昨日も普通だったわよ!」
相変わらず一言多い。
それに対して悪びれる様子もない我が弟。
パパかママは教育の仕方を間違えたわね。
「そう?
昨日だってホテル戻ればいつも宝月の屋敷にい
るときみたいな格好してたじゃん。
平気でノースリーブのワンピース1枚とかさ。
袖が短いブラウスとミニスカートとかさ。
大体、アラサーでミニスカート、イタいとか思わないの?
椎菜だって、まぁアイツは昔からそこまでミニスカート履く頻度多くなかったから安心してたけどさ。
その椎菜だって年相応にOLっぽい格好してたぜ?
姉さんがいつも屋敷にいるときみたいな露出多い格好ってさ……
本人は無意識だとしてもオトコを疼かせるには充分なわけ。
オトコって単純だから。
矢吹さんの身にもなれっつーの。
矢吹さんに鉄の理性でもあれば別だけど」
「どういう意味よ?
全くもう!
意味分かんないわ。
そこまでラフな麗眞を見たの、貴方が高校生の頃以来な気がするわ」
Tシャツにチェックシャツにジーンズって。
ちょっと新鮮。
そして、一言多いのにはもういつものことなのでツッコまない。
だが、姉である身内の私と愛しい人を比べるのはどうかと思う。
「矢吹さんも私も、少しでも一般のものに紛れるため、このような格好を麗眞坊っちゃまに推奨したのでございます。
私も、このような麗眞坊っちゃまを拝見するのは久しぶりです」
なるほど……いつもみたく、テーマパーク1ヶ月貸切とか……できないんだもんね。
パパがこのパークを運営してる会社の株主だから、頼めばできるけど……
まあ、どうせ明日1日はずっとホテルにいるんだし、いいか。
「ふーん……
そうなのね……」
「そうでございますよ、彩お嬢様。
まあ、白地の花柄ワンピースにベージュのカーディガンという普通の格好も、彩お嬢様の美しさの前では無意味かと」
「何よ矢吹!
貴方……熱でもあるわけ?
貴方が素直に褒めるなんて……」
「お嬢様、私はいつも彩お嬢様を誉めているはずですが……」
「ふふ、冗談よ。
本気にしないで。
ホント、冗談の通じない執事」
「さあ、参りましょうか」
相沢さんの鶴の一声で、矢吹と彼を先頭に、エントランスに向かう。