十三日間
高い二本の棒。
そのてっぺんに、横に渡された一本の棒。

それが目にはいる。

最初は見えなかった、真ん中からつり下がる太いロープの先が、一歩ずつ登っていくと見えてくる。

ただのロープが見えている間は、平静を装う事もなんとか出来るだろう。
だが、その先の、輪になった部分が見えたら、どんな気丈な者も足が震え出す。

そして、階段を登ることが困難になるのだ。

丸くなった輪の中に、自分の首がおさまる姿を想像して。

その高い絞首台から、自分の身体がぶら下がっている姿を想像して。

だから、目隠しをして登った方が、はるかに登り切る確率は高くなると言う訳だ。
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