十三日間
扉が開かれると、目の前に道がある。
その先に、十三段の階段。
「目隠しは、どうする?」
俺を連れてきたうちの一人が、唐突にそう聞いてきた。

そうだった。

目隠しをしたまま登るか、はずして登るか、選べるんだったな。

「つけないでくれ」

俺は、看守を真っ直ぐに見つめると、そう言い放った。
看守は黙ったまま頷くと、そのまま離れる。

俺は一人きり、階段に向かって歩き出した。
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