十三日間
寝汗がひどかったから、今朝もシャワーを浴びてから登校する。
朝シャンを欠かさないヤローみたいで、逆になんか恥ずかしい。
でも、汗くさいよりマシかな…っと。

案の定、校門近くで会った悪友に、早速からかわれた。

「伶、何おまえ、朝からシャワーとか浴びちゃってんの? 何かあんじゃねぇの?」
ニヤニヤニヤ

やけにニヤついて話しかけてくる。
こいつ、僕が大木みくるに気があるのを知ってて、しょっちゅうからかってくる。

ちぇっ、自分は彼女とラブラブ(死語)だからってさ。

むかつきながらも、こいつはなかなかいいアドバイスを時々してくれるので、あんまり無下に対応もできない。

た、立場弱いなぁ僕。

「なんか夢見が悪くてさぁ、起きると汗だくだから、汗流して来てるだけだよ」

応戦してみるが、多分無駄だろう。

「夢見が悪い~? フラれた夢でも見たか? あはは」

か、軽くそういう冗談言わないで欲しいんだけど…。
僕はナイーヴなんだ、まったく。

「違うって! あ、でも夢のおかげで昨日大木と話しが出来たんだった」
軽く親指を立ててみせる。

…我ながら……

「ばかじゃん………」
先に言われたか。

「まぁでも、話すチャンスが増えるのは前進だな。おまえにしては上出来だ。その調子で今日も頑張れよ」
なんだかんだ言って、こいつは心配してくれてるので感謝しておこう。
「さんきゅ、秀悟」
素直にお礼お礼っと。

今日は、どうやって大木みくるに話かけるか、とりあえずの課題はそれだな!

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