囚われジョーカー【完】




そう言ってやれば、店長もとい叔父さんは嬉しそうに瞳を細め。

髪の毛を乱すようにしてくしゃりと私の頭を撫でた。



――――…私がここでバイトしている理由は、カフェを経営している叔父にしつこく頼まれたから。

給料もまあまあだし、なにより叔父がうざくて仕方なしに引き受けたのだ。



でも今は、やっぱり頑なにでも断れば良かったと思っている。

わけは簡単―――――――――…






ここが、三浦さんと出逢った場所だから。



『…名前は?』

『バイト終わったら電話して。』

『優しいね、君。』



『だから簡単に騙されるんだよ。』





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