囚われジョーカー【完】
………、
余計なものを思い出してしまったせいか。頭の中でまだあの日の三浦さんの言葉、瞳、声、微笑が揺れている。
邪魔っ気だなほんと。
あの日、私が仕出かした愚かな行いは今に繋がっている。
檻に閉じ込められたみたいに逃げられないまま、彼の傍にいる私。なんて滑稽な姿。
自ら、その檻に飛び込んだんだから、…とんだ愚か者。馬鹿げているとしか言いようがない。
「菫は明日休み、な。」
叔父さんのそんな声で、私のスリップしていた脳は一気に現実へと引き戻される。
えー、ずりいなあなんていう清水くんの声が聞こえてくるが苦笑いだけ残して私はロッカーの裏へ。