。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
ただ窓に映る奈央を見つめていた時。

「…気持ち悪くなってきた」

そう小林が言っていた。

「えっ?大丈夫ですか?」

「…うん」

「横になった方がいいですよ?」

「…でも」

優しい奈央。

小林は、ふとこっちを見た。

あっ、俺いると寝れない?

「こっ…光輝クン、席、移動してもらっても

いい?」

本来なら、俺となんか話したくないはずなの

に、ちなみに小林のために話した奈央。

…優しすぎなんだよ。

俺は黙ってて、空いてる奈央の前の席に座っ

た。

「…あたし、違うとこにいますから、気にせ

ずに休んでください」

…違うところって?

座るとこ、ここしかねぇけど。

隣、座るつもり?

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