接吻ーkissー
「彼氏、できたの?」

静かに、由良が聞いてきた。

私を映しているその瞳があまりにも冷たいような気がして、背筋がゾッと震えた。

「――由、良…?」

つい、途切れて名前を呼んでしまった。

由良の目があまりにも冷たかったからだ。

そのうえ、彼氏ができたのなんて聞いてきて…。

黙っている私に、由良のまつ毛がまた伏せた。

「気づいているんでしょ?」

由良が言った。

「――えっ…?」

嫌な予感がした。

お願い、このまま的中しないで…!
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