接吻ーkissー
何があったんだろう?

少なくとも、私の今の悲しい気持ちで竜之さんの気持ちに水を注したくない。

そう思いながら竜之さんが座っているカウンターに歩み寄ると、その隣に腰を下ろした。

「何かあったんですか?」

できるだけ声を明るくして、私は達之さんに聞いた。

「仕事だ」

竜之さんが言った。

仕事?

「大きな仕事ってヤツ」

竜之さんはウインクを1つすると、グラスの中のお酒を飲んだ。

今日はいつも飲んでいるカクテルじゃない。

ウイスキーかな?
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