接吻ーkissー
震える気持ちーunrequited loveー
ハッと、私は我に返った。

「どうだった?」

頭のうえで聞こえた声に視線を向けると、
「――ッ…!」

ビックリして声が出てこなかった。

だって菊地さんが、私の前にいたからだ。

「――よ、よかった…です、はい」

心臓がうるさい。

バクバクバクバクと言っている。

私の声は聞きとれなかったんじゃないだろうか?

そう思っていたら、菊地さんが私に向かって微笑みかけてきた。

その瞬間、金縛りにあったみたいに私の躰が固まった。

金縛りにあったことがないから、本当はどんな感じなのかはわからないけど。
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