接吻ーkissー
「璃音が、好きだよ」

由良にそう言われた瞬間、私は意味を理解した。

私が言った“好き”は、友達としての意味だった。

でも由良が聞いた“好き”の意味は、恋愛としての意味である。

一緒の言葉でも、意味は違う。

「――由良…」

違う。

そう言いたかったけど、言葉が続かなかった。

何故なら、私の唇は由良の唇にふさがれてしまったからだ。

それに対して、私は抵抗ができなかった。

それは、由良を“友達”として好きだからだ。

だから、抵抗なんてことはできなかった。

私の頭の中をさえぎったのは、由良の“秘密”だった。
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