接吻ーkissー
「璃音を恨むのだけはやめて欲しい」

そう言って、竜之さんは頭をあげた。

「俺は遊びで璃音とつきあっていない。

だからなおさら、璃音を恨まないで欲しいんだ。

恨むなら、璃音を奪った俺を恨んで欲しい」

竜之さんはそう言って、由良を見つめた。

「竜之さん…」

私を見つめる優しい彼の目を、これ以上ないって言うくらいに愛しいと思った。

「――璃音」

由良が名前を呼んだ。

視線を向けると、彼女はすでにベンチから腰をあげていた。
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