接吻ーkissー
同時に、ここは屋上だと言うことを思い出した。

温かい日差しと満腹感で、ついうたた寝をしてしまったんだ。

「すごくうなされてたけど、何かあったの?」

由良が聞いてきた。

「ごめん、怖い夢を見てたの…」

私は笑ってごまかすように、由良に言った。

まさか、夢にまで出てくるなんて思っても見なかった。

「菊地さんの?」

由良が聞いてきた。

えっ、どうして竜之さんの名前が出てくるの?

由良の顔に視線を向けると、彼女は苦いものを食べたような顔をしている。
< 215 / 238 >

この作品をシェア

pagetop