接吻ーkissー
私が原因…?-fetters-
「璃音」

竜之さんが悲しそうな顔で私の名前を呼んだ。

何でそんなに悲しそうな顔をしているの?

「――俺、お前と一緒にいることができない…」

何でそんなことを言うの?

「俺のために、お前を巻き込みたくないんだ…」

そう言った後、竜之さんが背中を見せて、どこかへと向かって歩いて行った。

待って!

待って、竜之さん!

私を1人にしないで!

私を置いて、どこかへ行かないで…!


「――待って!」

自分の声にハッと我に返ると、
「――璃音…?」

由良が不思議そうに首を傾げて、私を見ていた。
< 214 / 238 >

この作品をシェア

pagetop