接吻ーkissー
あっという間に、演奏会が終わった。

「どうだった?」

隣を歩いている菊地さんが私に聞いてきた。

「すごくよかったです。

最初に聞いた『革命』が今でも耳に残ってて…」

「拍手も忘れるくらい衝撃を受けてたもんな」

菊地さんが笑うので、私も一緒に笑った。

菊地さんが足を止めたので、私も足を止めた。

どうしたんだろう?

そう思いながら、
「あの菊地さん」

私は彼に声をかけた。

具合でも悪くなったのかな?

そう思っていたら、
「璃音」

菊地さんに、名前を呼ばれた。
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