接吻ーkissー
私、今すごく大変じゃないかしら?

そう思っていたら、ツッ…と唇をなでられた。

その感触に、ビクッと躰が震えてしまった。

い、今のは舌だよね…?

そう思っていたら、
「――んっ…!」

舌が口の中に入ってきた。

き、菊地さん…!

両手を伸ばして、彼の背に回した。

どうしてそうしたのか、自分でもよくわからなかった。

そもそも正しいのかもよくわからないけど、とりあえずそうした。

「――ふうっ、んっ…」

彼の舌は弄ぶように口の中をなでた後、私の舌を絡めとった。

チュッ…と舌を吸われた瞬間、躰に痺れが走った。
< 78 / 238 >

この作品をシェア

pagetop