シンデレラルーム 702号室


有坂くんに『恐いカオ』と言われたあたしは、恥ずかしくなって頬に手を当てた。


ぐにぐにと頬を動かして、なるべく表情をニュートラルに戻していると。



「…アンタって本当に変わってるな」


と、有坂くんが呆れたような顔をして言う。



「いつもそうやって男に迫ってんの?」


「いつもじゃないわよ。有坂くんが手強すぎるからちょっと強引になっちゃっただけ」



だって必死なんだもん…


そう呟きながら、もう少しでキスが出来そうな距離にまで近付いて彼を見上げる。



「あなたを手に入れるには、愛だの恋だの語るより手っ取り早い方法じゃなきゃダメだと思って」



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