あやとり
じっと私の目を見据えた後、甲斐君は視線を廊下の窓から見える空に向けた。
「ずるい言い方、するんだよな」
「え?」
「俺がさ、納得させられてしまうような理由を言うから、納得してないんだけれど、そうしなきゃいけないようなさ」
喉の奥がキリリっとした。
「なんて言われたの?」
彼は机に両肘を突き、右手に自分の顎を載せて廊下の窓から見える、空の遠いところを見ている。
「はやく、大人になりてぇなぁ。高校生は無力だ」
校舎の中がその瞬間だけ静粛になり、甲斐君の声だけが響いたように感じた。
「訊いてもいい?」
「なに?」
「優ちゃんとどこで知り合ったの?」