今宵は天使と輪舞曲を。
彼女らの相手はこちら側では見えないが、広場から少し離れた場所で不機嫌そうに腕を組み、我が子を見守るエミリアの表情から察するに、ジョーンと一緒にいるのはおそらく彼女の意に反した相手、フェルディナンド卿で、ヘルミナは頬を薔薇色に染めていることから、今朝方話していた殿方なのだろうことは察しがつく。
エミリアはラファエルの隣にメレディスがいることに気がついた。彼女は今朝方メレディスが、”ラファエルとは二度と会わない”と口にした約束を破るつもりなのかと非難しているのだ。鬼のような形相でこちらを睨んでいる。
分かっている。自分は相手が誰であっても、永遠に惨めな召使いでしかないのだ――。
たとえ母親が望んだ相手とは違っていても、ジョーンやヘルミナには妻にと選んでくれる男性がいる。けれどもメレディスを必要としている男性なんてひとりもいない。
彼女たちとはまるで違う自分の行く末に悲しくなって目が霞む。
「いったいどうしたんだい?」
引き結んだ唇がほんの少し震えはじめた時、ずっと近くで男性の声を聞いてメレディスは、はっとした。不覚にもラファエルがまだ側にいたことを忘れかけていたのだ。
どうしたですって?
よくもぬけぬけと言えたものね!
メレディスの怒りはまるで滾々と湧き上がる泉のようだ。留まることを知らない。