大江戸妖怪物語

まず、山菜の根っこの部分を大きな出刃包丁で切り落とし、沸騰した水に根から徐々に入れていく。そして茹で上がった野菜を油で炒め、適当に調味料を振る。

「ほれ、手抜き料理だよー」

僕は手抜き料理を雪華と山姥の前に出した。
二人は一口食べた。

「う、うまあああああああああああああい!!!!!!!!!!!!!」

山姥は今まで聞いたこともないような大声を出した。頭にキーンと響く。

「さ、山菜がこんなに美味しいだなんて・・・。前代未聞だわ・・・、この場所で暮らして400年以上・・・こんなに美味しい山菜料理を食べたことがないわ!!!」

山姥の400年の歴史を、僕は一日で塗り替えてしまったらしい。

「山姥・・・フードを取ったらどうだ?もう、私たちはお前を殺そうとはしていない」

「・・・・・・そうね、そうするわ」

山姥はフードを取った。すると、そこにはとんでもない美女の姿があった。桃色の髪は腰くらいの長さがあり、色白な顔は、多少土埃で汚れているけど、美麗な顔立ちだった。桃色の髪に黄色の瞳が、とても美しく、両目の下にはYという文字を斜めにしたような模様があった。そして赤い唇は潤いがあって・・・いい。

「アタシの名前は燐崎札埜」

「りんざき・・・れいの・・・?」

「少し難しい漢字を書くかしら・・・まぁ、親からもらった名前なんだから、仕方ないわよね」

「札埜ね。よろしく」

「ええ」

「私の名前は雪華。閻魔王様にお仕えする雪女だ」

「閻魔王様に?あの?」

札埜は驚いたようだった。

「聞いたことがあるわ。なんでも、閻魔王様、十王様に続く強者の雪女がいると・・・」

「あら、有名で何よりだわ」

「僕は紅蓮神門。その・・・炎の技は使えるけど、妖怪じゃない。人間だけど、妖力を持っちゃったんだ」

「神門ね、覚えたわ」

「ところで札埜・・・あなた、苗字があるの?妖怪は、ふつう苗字を持たないと思うけど」

「・・・・・・私はもしかしたら神門に近いのかもしれない」

札埜は頬杖をついて溜息をついた。

「私も、もともとは人間だったのよ」

「え、人間?!?!」

人間から妖怪になってしまうがあるなんて・・・。でも、実際、妖怪になってしまったからこそ、400年も生きているのだろう。

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