大江戸妖怪物語
「美藤さん・・・地獄ってどんな場所か知ってる?」
雪華は感情なく聞いた。その崩れ落ちていた美藤さんが顔に不安な色を滲ませて、雪華を見上げた。
「こっちは閻魔王様に命令されて山姥退治やってんの。あなたに地獄の所業をさせる為に」
「閻魔王様だと?」
美藤さんの声は平静を装っているようだが、明らかに動揺していた。
「そうだ、まあ、すぐに会えるさ・・・。裁判場で」
雪華は冷たく言い捨てた。
「神門、殺れ」
「・・・わかった」
僕は頷き、美藤さんの前に立った。
「轟火・・・大紅蓮!!!!」
美藤さんの体は炎に包まれ、断末魔の叫びが聞こえてきた。火が消えると、美藤さんはぐったりとしていた。
「もう時間だ」
雪華は腕の水晶を取り出した。
「札埜、最後に何か言い残したことある?」
「もう、ないわ。微塵も」
「わかったわ」
水晶が光り始める。
「吸収せよ、大罪人を」
光の粒子は美藤さんの体を徐々に包んでいった。美藤さんは光の粒子を手で払おうとしていたが、そんなことは無駄だった。
「ふ、ふふふふ。我は・・・死ぬのか・・・。あはははは・・・・・・閻魔王、地獄で会おうか。あははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!」
高らかに笑いながら、光の粒子は弾けて消えた。そして砂時計がポトリと寂寥感を醸し出しながら落ちていた。それを水晶に吸収させた。戦いは終わったのだった。