大江戸妖怪物語
女将「雀陽さま、お目覚めはいかがですか?」
雀陽「うむ、なかなかの民宿ですね。私がお墨付きをあげましょう!!」
女将「雀陽さまのお墨付きをもらえるなんて・・・嬉しいです。感極まって・・・もう、泣いてしまいそう・・・」
雀陽「にょほほほ!!泣きたいのなら泣くのがいいでしょう!!」
神門・雪華「「なにこれ・・・」」
僕と雪華は同時に同じことを呟いた。明らかに雪華はドン引きしているようだった。
女将「雀陽さまは無料でお泊めいたします」
雀陽「にょーほほほほ!!!!感謝ですな!!!!」
雀陽は高笑いをしながら、民宿を出て行った。
神門「・・・雪華、どういうことなのかな。僕、もうわかんない」
雪華「あぁ・・・そうだな」
僕と雪華は部屋の鍵を机に置くと、そそくさと民宿を出た。その時、僕は女将さんの項をみた。すると、昨日までなかった切り傷があった。
僕はそれに疑問を感じることもなかった。
雀陽「どうです?私の人気は」
民宿を出たところで雪華の肩に腕が回される。もちろんその腕は雀陽の腕で。
雀陽「にょほほほ!!!そこのなよっちい男より、私のような男がいいでしょう!!よく思えるでしょう?!」
雪華「離せ」
雪華は苛立ちながらその手を払いのけた。
雀陽は一瞬ムッとしたが、再度雪華の前に立ちはだかった。
雀陽「あなたのような色が透き通るように白く、また美しい人は見たことがありません!!さぁ、今こそ!私と!!結婚でもしましょうか!!!!」
雀陽は雪華の手の甲にキスしようとした。しかし、雪華は無表情のまま、雀陽にそのまま裏拳を決めた。数メートル雀陽はぶっ飛んだが、何事もないような顔をしていた。
雀陽「ふふ、強情なところも素敵だ・・・」
ごめんなさい、普通の顔をしていますが、口から垂れ流しの血は丸見えですよ?
雀陽「いずれ、あなたの心を鷲掴みにしてあげますからね!!覚悟しておいてくださいよ、にょほほほほほーーーーーーー!!!!」
さすがの僕でも鳥肌が全身に広がった。そのまま雀陽は子分二人を引っさげ、僕らの前から去って行った。
神門「何なんだ、いったい・・・」