大江戸妖怪物語
雪華「薄々感じていると思うが・・・」
雪華が僕の耳元でしゃべる。
雪華「黒龍はかなりの、いや、最強の甘党でな。こういったスウィーツ系を食べたり飲んだりすると、人格が変わったように饒舌になるんだ」
神門「最近流行りの“甘党男子”ってやつね・・・」
この前立ち読みしていた雑誌で見かけたのだが、どうやら見た目とのギャップが女性は好きらしく、厳つい顔なのに甘い食べものが好きというのは中々スペック的には高いらしい。
まさに黒龍、こいつ絶対モテるだろ・・・。
小豆「うふふ。喜んでもらえてうれしいわ!作り甲斐があるし」
黒龍「あ、あの・・・」
黒龍は口ごもりながら喋る。
黒龍「よかったら、その・・・“甘深楽”でしたっけ・・・。また訪れてもいいですか・・・?」
アズ姐はそれを聞くと顔から笑顔が漏れた。
小豆「もちろん!いつでも来てちょうだい!待ってるから」
アズ姐は周りを片付けると玄関へ向かった。
小豆「それじゃあ私は帰るわね。今日帰ってきたばかりだから疲れてるだろうし・・・。今日は顔を見れただけで良かったわ!じゃあね!」
神門「あ、うん!ありがとう!じゃあね!!」
アズ姐が帰った。そして霧雨さんが立ち上がる。
霧雨「さてと・・・それじゃあ閻魔にでも報告しに行かなきゃだよねー。ちょーっと僕も謝りたいこともあるしー?」
おそらく謝りたいこととは、邪鬼との戦いで霧雨さん・・・いや、あの時は泰山王さんか。泰山王さんが邪鬼に対して妖力を使ったことだろう。
雪華「そのまま閻魔王様の怒りでも買って阿鼻地獄にでも落とされてしまえばよいのだ」
雪華は腕組みをしながら霧雨さんを睨みつけた。
そして霧雨さんは鏡を取り出し、二枚の鏡を合わせた。
そして合わせ鏡をして、冥界への入り口が開かれた。
神門「え~・・・やっぱり僕もいかないとダメー?」
霧雨「うん当たり前~♪」
その瞬間僕は霧雨さんに背中を蹴飛ばされ、ほぼ強制的に冥界向かうことになった。
霧雨さん、雪華、黒龍と続き、四人全員冥界に来た。