大江戸妖怪物語
神門「・・・黒龍は入らないのか?」
黒龍「うん・・・俺はいい・・・。一応謁見できる権利は持ってるけど、雪華みたいにそれが当たり前ではないから」
黒龍はそういうと扉を見つめた。その瞳は、扉の向こうにいる雪華をみているようだった。
黒龍「雪華はさ・・・エリートじゃん」
神門「エリート・・・?」
黒龍は僕の方に体を向ける。
黒龍「俺と雪華はこう見えて同期なんだけど・・・」
神門「え、同期なの!?うっそー!?」
黒龍「うん、俺は役職をやってた前任の人から任されてさ。でも、雪華は閻魔王からの直々の推薦だったんだ・・・」
黒龍は大階段の一番上に腰掛けて話す。
黒龍「その時は俺も入りたてだったから、・・・どれほど凄いことか知らなかったけど・・・・。後にも先にも、閻魔王が直々に推薦したのは雪華しかいない」
確かに雪華は凄い。強いし、頭もまわる。わからなくもないが、どうして雪華が特別選ばれたのだろう。
黒龍「当時は、雪華の起用について反体勢力が大きかったんだけどさ、・・・察しの通り、そいつらが“ぐうの音”が出ない程にコテンパンにされてたよ・・・」
神門「ま、まあ・・・雪華だもんな・・・」
黒龍「だから冥界では恐れられてもいるけど、人気も高い・・・・・不思議・・・・」
神門「不思議・・・・・・・だな・・・・」
僕と黒龍は雪華について語ったのであった。