大江戸妖怪物語
少しすると、ゾロゾロと美形、美形、さらに美形が集まってきて、僕と雪華は美形に取り囲まれた。
男「え、もしかして新入りくーん?と、女の子じゃーん」
男「なになに、カップルで働きにきたわけぇ?」
神門「いや、そういうわけでは・・・」
僕はあたふたしながらそれを否定した。
すると琉堂が現れ、そしてその背後から華美な装飾を施した服・・・そしてここにいる美形よりもさらなる美形が現れた。
??「キミたちが・・・新しく入ったってコ?よろしく」
なぜかすでに入ることになっていたことに驚いたが、僕は恭しくお辞儀をした。
桂木「オレの名前は桂木白羽。この店のオーナーにして、No.1ホストさ」
やはり、この男、桂木白羽からは只者ではない雰囲気が読み取れた。
桂木「そこのメンズはフロア確定でいいよね。・・・で、隣のレディーちゃんはどの役職を希望かな?」
雪華「女なので、フロアは無理かと・・・できればキッチンをお願いしたのだが・・・」
桂木「ん♪オッケー♪でもさ、そこのレディーちゃんには一つ条件があるんだー」
桂木が雪華に詰め寄った。そして雪華の髪の毛を持ってキスをした。
桂木「・・・この髪を切ってくれたら・・・ネ?」
桂木の怪しく光る眼。雪華もそれを見つめる。
神門「ちょ・・・雪華、無理しないほうが」
僕の声を桂木の声が制す。
桂木「あのね、この月桂樹は女の子の人気ダントツの店なわけ。女の子たちだって、自分の愛するメンズとずーっと一緒に居たいでショ?ここで女の子のバイト認めちゃうと、ドシドシ女の子の応募が来ちゃって大変なことになっちゃうからさ♪」
桂木はニヤニヤしながら話す。
桂木「キミはどうやらここのメンズ目当てでもなさそうだし~?だから認めてあげなくもないけど、もしそれができないのなら~・・・この話はナシってことで~」
雪華「その話、了解した」
雪華はすぐに返事をした。
神門「いや、だって髪は女の命でしょ!?」
桂木「だからァ、言ったでしょ?・・・ここで働くなら女を捨てて欲しいワケ」
雪華「わかっている。さっさと髪を切る道具を持ってきてくれないか」
桂木は周りの者に髪を切る道具を手配した。そして琉堂が小刀を持ってきた。
琉堂「これで切るといい。切れすぎるから、気をつけろよ」
雪華はその小刀を持つと、迷うことなくその刀を後頭部にもっていった。