大江戸妖怪物語
神門「雪華・・・・・・!!」
僕の声が終わる前。左手で自らの後部の髪を一掴みし、右手で持った小刀で一気に髪を切り落とした。
さらに側頭部の髪もざっくんばらんに切り落としていく。
そしてドサッとした雪華の髪の毛が床に散乱していた。
僕は声が出なかった。声を出すことすら許されない気がした。
雪華「これで・・・いいか?」
適当に手櫛で髪を整えた雪華。
桂木「ン、完璧♥」
琉堂は小刀を受けとり胸にいれた。
桂木「それじゃ、二人には服と・・・名前を考えてあげないとネん」
神門「名前・・・・?」
雪華「源氏名、というやつか」
桂木「そうそうソレソレ♪で、キミたちの名前はー?」
桂木は僕らの名前を訪ねてきた。
神門「紅蓮神門です」
雪華「雪華」
桂木「なるほど・・・・ふむふむ」
桂木は顎に手を当てながら考え出した。
桂木「んじゃ、キミが紅(コウ)!」
桂木は僕を指差す。
桂木「んでんで、キミが雪(ユキ)!」
僕と雪華は顔を見合わせた。おそらく考えたことは一緒。
(こいつ、名前の一文字とって、読み方変えただけじゃね?)
もちろんその思考を口に出すことはさすがに控えたが・・・。
桂木「うんうん♪いい名前だね~。それじゃ、服用意してあげるから。琉堂、連れてってくれ」
琉堂「・・・わかりました」
ついてこい、と言われ、連れていかれた先。巨大なウォークインクローゼットの部屋があった。
琉堂「・・・お前はこれ。そしてお前はこっちの服を着ろ」
琉堂はぶっきらぼうに目の前にあった服を渡してきた。それにしても、この鉄仮面フェイスの男もホストなのか?・・・と疑問に思っていると、
琉堂「・・・何を見ている」
琉堂の切れ長の目が僕を睨む。僕は恐縮してしまった。