大江戸妖怪物語
神門「あ、いや・・・。琉堂さんもホストなんですか?それともキッチン・・・?」
琉堂「・・・オレはホストだ。この店のNo.3だ」
神門「あ、そうなんですか・・・」
琉堂は少し黙ってから口を開いた。
琉堂「オレがホストに見えないか?」
神門「いやいや!そんなことはないですけど・・・・!!」
慌ててフォローしてその場はうまくやり過ごすことができた。あれ、ということだとNo.2ホストって誰だろう?
琉堂「まあいい・・・。お前たちにはここの地下にある居住スペースに住め」
琉堂はそれだけいうと踵を返した。
琉堂「お前たちには明日から働いてもらう。今日は家に帰って必要なものを持ってこい」
神門「は、はい!!」
僕らは部屋から出た。どうやら、いったん家に帰って必要なものを持ってくる必要がありそうだ。
雪華「とりあえず一度家に帰るぞ。こことお前の家を繋げる可能性があるか調べてみる」
神門「繋げる?どういうこと?」
雪華「・・・・・・ここは結界が張られている」
雪華は小さい声で呟いた。
神門「けっ!?!?!?!?!?!?・・・・・・結界ってどういうことなの?」
僕はあまりの驚きに大きい声を出したものの、周りの目を気にして小さな声で話した。
雪華「あまりここで大きくは言えない・・・。家に帰ってから話そう」
僕と雪華は月桂樹を出た。その瞬間、何かがフッと軽くなった気がした。
雪華「何かが離れた感じがするだろう。それが、結界から出たということだ」
僕は肩の違和感を感じながらも家までの道を歩いた。
僕の家、そして僕の経営している店、『刃派』。歌舞伎町から少し離れているところにあるため少し疲れたものの、さらに肩の疲れ、いや、全身の力が抜けるような光景が家の中に会った。
母「あら、神門。おかえりー。前に帰ってきたときに言い忘れてたんだけど、ちょっと蔵の中を見てきてほしいの」
その言葉を聞いて僕が蔵の扉を開けると・・・。
神門「うわああああああ!?!?!?」
一瞬にして蔵の中から何かが大量に流れ出てきて僕に覆いかぶさってくる。それは・・・・・・すべて刀の製造依頼だった。
神門「そ、そっか・・・。山姥や雀陽を倒しに行ってたから、たまっちゃったのか・・・」
そう。僕の本業は刀職人。決して妖怪バスターではない。こんなに依頼があるなら刀製作に専念したいが、だけど月桂樹のこともある。一々家に帰って刀製作したら、体がもたない。
雪華「何をしている」
神門「せ、雪華ァ・・・。刀の依頼でパンクしそうだよぉ~・・・」