大江戸妖怪物語
雪華「それも含めて話がある。・・・とりあえず、お前の部屋に行くぞ」
そういって僕と雪華は、二階へと向かった。
雪華「・・・で、さっきの結界についてだが」
雪華は腕組みをして話した。
雪華「おそらく、あいつらが私たちのような悪しき妖怪を倒す輩に注意して張ったものだろう・・・。あの結界からはそのことが皮膚を通じて感じ取れた。・・・つまり、あいつらは悪しき“何か”をしている」
さらに続ける。
雪華「そしてお前の部屋にこの鏡を設置してみた」
みると、僕の部屋の角に全身鏡が置いてあった。
雪華「結界というものは、完璧に張れていると思っていても、必ずどこかに綻びがあるというものだ。いま、その綻びの間を縫って月桂樹とココを繋いだ。だから暇なときに戻ってきて刀を作ればいい。それに・・・」
神門「それに?」
雪華「いつでもあそこから逃げれるようにするためだ」
雪華は鏡を撫でる。
雪華「結界を張っている・・・それほど相手は慎重ということだ。・・・私たちの本当の目的がわかった瞬間、殺しに来るだろう。しかも、相手の結界の中だ。ほとんど私たちの力は無力化されるだろう。・・・そういったときに、この綻びから抜け出す。相手の結界から出れば、力は抑止されない」
神門「なるほど・・・。あ、ていうこうことは、戦うことになったらとりあえず結界から出ればいいんだよね!?」
雪華「簡単に言えばそうなるな」
そして僕と雪華は必要なものをまとめて、再度月桂樹へと向かった。やはり荷物を持っているので、先ほどよりもきつい。
そして月桂樹の中に入ると、さらに肩に負荷がかかった。結界に入った・・・ということか。
神門「居住スペース・・・あ、ここか」
階段を下りると、小さい部屋がいくつもあった。そして名前のプレートがあり、それによると僕は誰か別の人と同室だった。
雪華は女子ということで、一人部屋が用意されていた。・・・羨ましい。
雪華「とりあえず、今日はあまり行動しないほうがいい。・・・明日から動き始めるぞ」
そういって雪華は自らの部屋へと入って行った。僕はノブを握って
そーっと開けた。その瞬間、内側から思い切りドアが開き、僕の顔面にジャストミートした。
神門「☆※●%#*Ω!!!!!」
??「うっわ、やべっ!?大丈夫か!?!?」
ドアの内側にいた人が僕に向かって手を差し伸べる。