大江戸妖怪物語
絃「あ、雪は女の子だけど、ここでは一応“男扱い”しないとだよね!いけないいけない!!」
絃は顔をパン!っと叩くと、顔を引き締めた。
絃「色々と大変なことがあるかもだけど、お互い!!頑張ろうな!!!」
神門「グフッ」
絃に思い切り背中をたたかれ、少々えづく。こいつには力加減というものがないのか、と少々イラッと思いながらもなんとか平常心を保つことができた。
しかしながら、同室とはいえ、この絃という人物は月桂樹の真実には関わっていないと思えた。連続行方不明事件・・・それを起こしているのは上層部・・・幹部あたりということか。
怪しいところは桂木、琉堂。そして未だあったことのないNo.2・・・。
月桂樹行方不明事件に関して何も関わっていないとすると、むしろ動きやすいと思ったほうがいいのか、それとも事情を説明するべきなのか少し悩む。
絃「うんうん♪・・・って、あぁ!?もう休憩時間過ぎてるッ!?やべっ、怒られるー!!」
絃は慌てて髪の毛を適当にセットし、部屋から飛び出して行った。なんともあわただしい同居人だ。
ふと壁を見ると、シフト表のようなものが壁に掛けられていた。それを見ると、・・・すでに僕の名前が。
早い、やることが早いよ月桂樹。
絃と書かれた名前をついでに見ると、ちょうど今まで一時間半の休憩だったらしい。さらに琉堂を見てみると、どうやらフロアに出ているらしかった。
とりあえず、今日は何もしないし・・・。寝ようとして、ベッドの上に転がった。
どうしてか、急に眠くなってきた。そのまま、僕はすぅーっと眠りについた。