大江戸妖怪物語
・・・・・・
絃「・・・・・・おい、おい!!起きろって!!!!」
体を思い切り揺さぶられ、眼をさます。口元のよだれを拭きながら体を起こすと、絃が焦りながら起こしてきた。
絃「朝七時!朝礼の時間だってば!!」
神門「ちょ、朝礼!?」
こ、こういう店なのにそういう所は真面目なの!?
絃「不定期だけど、何か重要なことがあると行われるんだ・・・!!今日は売上発表日!!」
とりあえず起きて、ダッシュで絃の後をついていく。
そこには桂木と琉堂、そして店の奴らがそこにいた。もちろん雪華も既にいた。
桂木「おやおや~、紅に絃~。随分遅いお目覚めだね~」
桂木はにこやかに笑っているが、内心明らかに含みをもった声色だった。
琉堂は僕らを睨むと何も言うことなく持っている紙に目を落とした。
琉堂「・・・・では、先週の売り上げ順位を発表する。まず、一位は桂木さん」
やはり、オォ~っという歓声が上がった。
琉堂「そしてそのほかも順位は変わらず・・・・・・、ちなみに最下位は・・・絃」
その名前が呼ばれ、絃に視線が突き刺さる。
男「まーた絃かよ」
男「しかも見てみろって売上wwwマイナス12万ってどういうことwww」
男「あー、それ指名されたんだけど、高級な焼酎を客のドレスにぶちまけたんだとよwんで、酒代とクリーニング代徴収www」
男「マジかよwwwむしろ迷惑www」
クスクスと他のホストから陰口を言われる絃。絃は僕に微笑みながら言った。
絃「・・・しゃーない。俺が仕事できないのが悪いんだからさ」
桂木「それじゃァ、今日もみんなナカヨーク頑張ってね☆」
桂は頬杖をつきながら優雅に答えた。その時だった。後ろからカツカツと足音が聞こえてきたのは。
桂木「あらら~、随分大胆な遅刻だこと~・・・馨?」
馨と呼ばれたその人はホストたちを押しのけ桂木の前にドンっとたった。これまたイケメン・・・。
馨「つーか、これって意味あるわけ?みんな深夜営業して疲れてんのに、不定期とはいえ朝礼させてる理由?」
琉堂「おい」
琉堂は胸元に手を入れた。おそらく小刀を手に持ったんだろう。
馨「ふーん?No.3がNo.2にたてつくんだ?」
琉堂「お前こそNo.1にたてついているだろう」
話を聞く限り、どうやらこの馨という人がNo.2ホストらしい。
馨「あはは~?俺この店に入って間もないけど、もうNo.2だぜ?これじゃあ、この店のNo.1を取る日も近いかな」
桂木は笑顔のまま立ち上がり馨に詰め寄る。