大江戸妖怪物語
神門「気にしないほうが良いでしょう。僕も誰だかわかりません。ハハ・・・・・・」
僕は半笑いで第一発見者に向き直った。
神門「そういえば・・・お名前は?」
照子「円野照子と申します」
神門「では・・・照子さん、何も不可解な点は無かった、と?」
照子「あ、でも・・・」
神門「何か思い当たる節でもありますか?」
銀髪娘が面白がる様子で話しに介入してくる。
照子「あの・・・埃が少しベタベタしてたんです。なんか・・・綿飴みたいな・・・」
銀髪娘「・・・綿飴?」
銀髪娘の目がキラリと光った。流し目がやけにセクシーに感じた。
照子「すみません、少し体調が・・・私はこれで」
照子さんはそそくさと帰っていった。
神門「何かわかったのか?」
銀髪娘「えぇ、大体」
その目は自信と好奇に満ち溢れていた。
神門「教えてくれ。事件解決の糸口になるかもしれない」
銀髪娘「無理」
銀髪娘はバッサリと切り捨てた。
銀髪娘「これは・・・どうやら私が解決したほうが早いわね。あなたでは到底理解できないと思うけど」
顎に手を添えながら話す銀髪娘。夜風で髪がサラサラと靡いた。
神門「とか言って~、本当はわかんないとか?強がるなよ~」
銀髪娘「いいえ。人間には到底理解できないことだわ。こんな『非現実的』なこと、解るわけないし」
神門「お前だって人間だろ・・・?」
その言葉を僕が言い終えるまでに銀髪娘は去っていった。