大江戸妖怪物語
僕の手はだらーんと伸びた。
もう、抵抗できねぇですぜい・・・
道には僕の鼻から垂れ流しになっている鼻血が一筋、綺麗に残っていた。
端から見れば、ただの変人野郎なのか・・・これ・・・。
釛「着いたよ!甘深楽・・・って、神門ッ!?!?」
釛はやっと僕の異常事態に気づいたらしい。
神門「こんなに鼻血が・・・よほど鼻の中を怪我しちゃってるみたい」
鼻の中より別の所の怪我を心配してくれッ・・・。
釛「えっと・・・店主さん呼ばないとッ。すみませーん。鼻血が止まらないらしいです」
釛が呼ぶと、店の奥からアズ姐が出てきた。
小豆「はいはい~・・・って、神門くん!?」
アズ姐は口に手を当てて、驚いた。
小豆「は、早く治療しなきゃ!」
アズ姐は僕を店の中の椅子に座らせる。
そして救急箱を持ってきて、中から消毒液を出す。
神門「痛ってぇー・・・」
意外と傷は無いらしく、額だけに切り傷があるだけだった。
その切り傷も髪で見事に隠れそうだ。
釛「神門、鼻血大丈夫?」
釛が心配そうに見てくる。
小豆「神門くん、鼻血出てたの?」
気づいたら、鼻血は止まっていた。
神門「さっきまでは、・・・な。助かったよ、アズ姐。あと、釛も」
釛「よかった!神門から血が無くなると大変だよね」
釛は笑顔で僕に話し掛けてくる。