大江戸妖怪物語
小豆「怪我が大したことなくてよかった。じゃあ、団子でも食べてく?」
アズ姐は作り立てだという団子を持ってきた。
餡子と餅が良いコラボレーション・・・
釛「すごいおいしい」
釛はパクパクと食べた。
小豆「口に合ってよかった。初めてのお客だったから・・・あら?」
アズ姐は何かに気づいたように釛の顔を覗き込む。
小豆「私達、過去にどこかであったことがあるかしら?」
アズ姐は首を傾げて聞く。萌え。
釛「え?」
釛も首を傾げた。
二人の間に沈黙が降りる。不穏な空気が立ち込める。
両方とも喋ろうとしない。言葉が途切れた。
やけにピリピリとした空気になり、僕は少し動揺した。
最初に口を開いたのは釛だった。
釛「・・・人違いじゃないですか?江戸には人はいっぱいいますし」
釛は笑顔で言った。
小豆「・・・そうね。そうなのかも。ごめんなさいね」
アズ姐も笑顔で返した。
その2人の笑顔の胡散臭さ・・・違和感に、僕は気づくことは無かった。