大江戸妖怪物語
僕は店の奥にいるアズ姐に声をかけた。
アズ姐は暖簾をめくって、こっちに話し掛けてきた。
小豆「まだいてもいいのよ?」
アズ姐は気を使ってか、まだいてもよい、と言ってくれる。こういう優しい所、好きだな。
神門「んー。長居してもアズ姐の邪魔になるだけだからな。やっぱりもう帰るよ。仕事頑張って!ごちそうさまでした!ほら、釛も」
釛「ごちそうさまでした!」
釛は胸の前で手を合わせ、満面の笑みで、胡散臭いくらいの笑みで、アズ姐にお礼を言う。
小豆「うん、じゃあね」
アズ姐も笑顔で手をふりかえした。
僕らは店から離れた。
暖簾をくぐり、厨房に戻ったアズ姐は眉間に皺を寄せ、呟いた。
小豆「コガネ・・・釛・・・ッ!やっぱりッ・・・」
こう呟いたことを、僕は知らない。