大江戸妖怪物語
釛「じゃあ、本気になってよ」
・・・・・・あれ、
これってマジなやつ?!
釛の瞳が僕の目を見つめる。僕の心は微かに麻痺した。
釛「いつもは饒舌なのに、こういう時に限って黙り込んじゃうのね」
虚空の中に僕らはいるようだった。
その言葉は、僕の胸にズキンと響いた。
僕は沈思黙考し口を開いた。
神門「でもさ、僕らつい先日出会った仲だし?やっぱり互いのことを知らなきゃさぁ・・・」
釛「じゃあ彼女になれる可能性は皆無じゃないのね。でも」
釛は右手で、僕の左頬に触れた。壊れ物を扱うかのように、優しく撫でる。
釛「今、付き合いたいの」
・・・意外に依怙地らしい。
目を泳がしてる僕とは違い、毅然とした態度で見てくる釛。
僕を掌握したいのか?
話を逸らす、得策は無いのかッ・・・!
釛「今言わないと後悔しそうで、嫌で嫌でしょうがないの。どう、返事は?」
尋問のような感じになってきてしまった。
神門「でも、僕なんかより素敵な人がいるんじゃない?」
と自嘲気味に呟いた。