大江戸妖怪物語
一週間経ち、僕は刀を作っていた。武士の人が刀の鍛練をしている最中、折れてしまった為、新たに作り直すということらしい。
正直、ここ一週間は作っても作っても、駄作だらけだった。だからといって放擲は許されない。自分も落魄したと感じる。
たかが女に告白をされ、ここまで動揺してる自分が嫌だ。隔靴掻痒の感だ。だからと言って躍起になってもムラが出来てしまう。
僕の着物の蓮は燃えているようだった。
そして、心が落ち着いてきた今日、明鏡止水の心境で刀を作る。
高邁な刀を作る。それだけだ。
神門「こちらが作った刀です」
僕はその刀を注文した武士に渡した。
怖かった。自分の出来映えが。危惧の念があった。
武士「素晴らしい!」
武士は満面の笑みで刀を握った。
武士「やはり、若いのにたいしたものだ」
神門「そんな大仰な者ではないです」
武士「ありがとう。金は置いていく。また頼むよ」
そして武士は笑顔ででていった。