大江戸妖怪物語
僕は甘深楽を飛び出した。
何処に向かうというわけではなく、江戸中を走り回った。
釛に会えればいい。その思いが僕を駆り立てる。
同じ路地を何度も通った。
そして僕の家の近くの路地に差し掛かった時だった。
神門「釛・・・ッ!」
僕は運よく釛に遭遇したのだ。釛はいつもと変わらない感じで振り返った。
釛「神門」
神門「あのさッ、銀髪の女と接触したか?」
釛「銀髪?」
釛は考え込んだ。
釛「接触してはないと思うけど」
はぁ~っと僕は胸を撫で下ろした。一気に体が脱力する。
神門「じゃあ、僕の家に来て!釛、連続殺人犯に狙われてるんだ!早く!」
釛「連続殺人犯?あの、怪事件の?」
神門「そうだよ!だから早く逃げよう!」
僕は釛の手を握り、引っ張ろうとした。
パチン
その瞬間、その手を釛の手によって弾かれる。
神門「釛・・・?急がないと・・・」