初昼の儀式

 
アズユーライク♪、アズユーライク♪、アズユーライク♪。外国人ラッパーの口ぶりを真似て、頭を小さく振り、この姿誰かに見られたら成仏もんだなと思った時、
「ここ、いいですか?」
声をかけられた。

 お気に召すままを閉じ、当然「アズユーライク♪」も止め、キャスケットの下から顔を上げる。
 眼鏡をかけた痩身の優男が、慣れぬ笑顔を作るように立っていた。
 髪と服が濡れており、項の辺りの長めの後ろ毛からは、滴も垂れている。
 「ええ、どうぞ。」
 「どうも。」

 
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