先輩とあたしと苺オレと(仮)
「……人多い」
「走ったのに…」
購買にはいつもよりも沢山の人がいた。
いつもより少し遅かっただけなのになぁ。
「莉央、あたしやっぱりやめとく」
奈津子は諦めたように言う。
でも、あたしは行く!
いつもよりも人が多くても苺オレのためなら頑張るよ。
「奈津子のも買ってこようか?」
「え?いいの?」
諦めかけてた奈津子はびっくりしたようにあたしをみる。
「まぁついでだし」
「ありがとっ♪カフェオレお願いします」
奈津子はうれしそうに財布から110円をとりだす。
「了解、ちょっと待っててね」
奈津子から110円を受け取り人ごみの中にむかう。
いつもならはじから攻めていけるけど、こんな人がいたら無理そうだ。
今日はあえて真ん中からにしよう。
買った人がでるときの人との間をうまく利用して前にすべりこむ。
あっという間に前のほうにわりこめた。