先輩とあたしと苺オレと(仮)

「……人多い」

「走ったのに…」

購買にはいつもよりも沢山の人がいた。

いつもより少し遅かっただけなのになぁ。

「莉央、あたしやっぱりやめとく」

奈津子は諦めたように言う。
でも、あたしは行く!
いつもよりも人が多くても苺オレのためなら頑張るよ。

「奈津子のも買ってこようか?」

「え?いいの?」

諦めかけてた奈津子はびっくりしたようにあたしをみる。

「まぁついでだし」

「ありがとっ♪カフェオレお願いします」

奈津子はうれしそうに財布から110円をとりだす。

「了解、ちょっと待っててね」

奈津子から110円を受け取り人ごみの中にむかう。

いつもならはじから攻めていけるけど、こんな人がいたら無理そうだ。
今日はあえて真ん中からにしよう。

買った人がでるときの人との間をうまく利用して前にすべりこむ。

あっという間に前のほうにわりこめた。
< 6 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop