花×花

「先輩、それはユキナさんに言って下さい。それは私の役じゃないですから」

その台詞は私が貰うべきじゃない…


「……え、は?ユキナ?」

「はい、どうやら夏女くんの彼女さんのお名前みたいで。寝ながら、ユキナ飯〜って言ってましたよ、夏女くん」

私が貰っちゃダメ

「はははっっ」


夏女先輩は急に笑いだして、足を止めると歩道側を歩いていた私に身体を向けた。

「どうしたんですか?」

「蓮ちゃんさ、桜のことどう思う?」

「え…どうって」

「今あいつ、反対側にいるよ。」

「え………」


夏女兄に見透かされてるようで
怖い。



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