空耳此方-ソラミミコナタ-

二人は同時に克己を振り返る。
克己は目を輝かせて興奮気味にまくし立てた。

「ここを僕らの秘密基地にしようよ! それで、僕らがことに来たって証を何か残すんだ!」

「それいいな!」

指をパチン、と鳴らして透。
男は盛り上がるが、玲子一人が渋っていた。

「でも…」

二人は「?」と動きを止めて玲子を見る。

「キミがいないじゃない? せっかくのメンバーなのに」

「それは、仕方ないよ。それに秘密基地だよ? 秘密じゃなきゃ」

「そうさ。それが嫌なら今度お前ら二人でここまで来て教えてやればいい」

透がそういうと玲子は首を横にブンブン振った。

「そ、そんなの無理よ!」

こんなところ、男たちに体力と置いてきぼりは御免という玲子の必死さでこれたようなもので、女子の力だけで来れるわけがない。
なにより、絶対に迷う。
玲子は方向感覚に対しては割りと自信がある。悪いほうに。

だろ?、という顔で透が笑う。
透にべーと舌を出して反抗しながら、やはりキミに伝える手立てがないと悟る。

「わかったわよ。秘密よ秘密!」

「言ったからにはバラすなよ!」

「そう言うあんたこそ! この中で一番口が軽いくせに!」

ぐ、と言葉に詰まる透。
そんな二人を見て、克己はカラカラと笑っていた。

やっぱり、こうしている方がいいな


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