Tolie.
「 4ヶ月ちょっとで、自分自身を
忘れたりしてないよね? 」
「 ・・・・え? 」
私を見下ろす優斗さんの瞳は
揺れることなく、私を見ていて
腕を掴む手が少し震えていたけど
力が緩むことはなかった。
「 ゆっくり、話をしようか 」
そう言って、私を座らせて
優斗さんは向かい側に座る。
「 人として、アイツらの幼馴染として、
医者として、名前を聞いてもいい? 」
忘れかけていた自分の本名。
一輝は”絶対に言うな”って
言ってた。
少し間をおいて、口を開いた。
「 芹沢美優です 」
「 その名前をアイツらは? 」
その問いかけに首を横に振ると
”そっか”って目を伏せた優斗さんは
小さな溜め息をついた。