短編集


半分くらい減ったカレーの皿を少し私の方に押す。

んーちょっと食べてみたい・・・かも。

「いいの?」

「構わないさ。ただ辛いぜ?」

念を圧さないでよ。なんか怖くなってきた。

水確認。コップの八割くらい残っている。

「うん。」

「ほら」

カレーとスプーンが私の前におかれる。

おそるおそるスプーンですくい、口に運ぶ。

スパイシーな匂いが鼻を刺す。

「ーーっ!!!」

声にならない悲鳴をあげる私。

辛い。辛すぎる。カレーではないくらい辛い。

韓国人とかタイ人とかでも驚くのではないか。

水を一気に飲み、何とかがんばる。

「い、いたい・・・。」

「はは。辛すぎたか」

口がひりひりする。直るわけでもないが口を両手で押さえることしかできない。

「水いるか?」

こくこくと頷いて、暁君から水を貰う。

「あいがと・・・。」

うぅ・・・舌が回らない。

「そんなに辛かったのか?」
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