短編集
と彼女も状況を理解したらしく、ぼふんっと音が聞こえそうなくらい、顔全体が赤く熟したトマトのように赤く染まっていく。それを見てさらに俺も恥ずかしくなり、つられて顔が暑くなっていくのを感じた。

「あ、ごめんっ!」

彼女はそういって俺の上から降りようと、もぞもぞとを始めるが、どく気配がない。

それに、さっきから彼女がもがくたんびに、俺の腹の上に小さな控え目の柔らかい膨らみが押しつけられ、顔に体中の血液と熱が集まってきたかのように熱くなっていく。

「と、とりあえずどいてくれない・・か?」

「はぁ・・はぁ・・わ、わかってるけど!」

とりあえず言ってみたがわかっているらしい。声を少し荒くして怒鳴られた。というかなぜか彼女はもう息が上がってしまっている。そこまで激しく動いたり、ずっとしゃべっていたわけでもないのに、だ。それに違和感を感じ聞こうとした途端、

「もう何やってるんだい!ベッドから落ちるなんてバカなことして」

彼女のお母さんはそういって俺の上でもがいている彼女を、お姫様抱っこし、ベッドの上に寝かしつける。当の本人は申し訳なさそうな顔をして、

「ごめん」

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