短編集

実際シニア時代からバッテリーを組んでいて、あいつのおかげで俺もそれなりの評価をもらい、この高校には推薦できている。

「にしても豪快だったよなーあの場外ホームラン。窓割ったのはドンマイとしか言いようないけど」

「うるせっ」

でもそのおかげで、桜と出会えたから、マイナスに働いてはいないだろう。

「あ、でも確かあそこの家って可愛い子居なかったっけ?」

ぎくっ。今考えていたことを見透かされたみたいな感じで言ってきたため、体がびくんと跳ねてしまう。何故そんなことを知っているか不思議でしかたない。

「何その反応?まさかマジで会ったのか?」

「あぁ。会ってきた。何でそんなこと知っているんだ?」

「登校中に何度か窓から見えたから。会っただけか?」

「また会いに行く約束した・・・あ!」

しまった。話してしまった。

「ついにお前の時代が来たか?」

「ちげーよ!年がら年中女子にきゃーきゃー言われてる奴に言われたくねぇ!ただ勉強教えてくれだとよ」

「お前そこそこ頭良いもんな」

「見下すな!暁よりも成績良いぞ!」

暁は何故か(顔も良いし、性格も良いし、家事もできる)女子に人気が高い。
< 68 / 95 >

この作品をシェア

pagetop