短編集
実際シニア時代からバッテリーを組んでいて、あいつのおかげで俺もそれなりの評価をもらい、この高校には推薦できている。
「にしても豪快だったよなーあの場外ホームラン。窓割ったのはドンマイとしか言いようないけど」
「うるせっ」
でもそのおかげで、桜と出会えたから、マイナスに働いてはいないだろう。
「あ、でも確かあそこの家って可愛い子居なかったっけ?」
ぎくっ。今考えていたことを見透かされたみたいな感じで言ってきたため、体がびくんと跳ねてしまう。何故そんなことを知っているか不思議でしかたない。
「何その反応?まさかマジで会ったのか?」
「あぁ。会ってきた。何でそんなこと知っているんだ?」
「登校中に何度か窓から見えたから。会っただけか?」
「また会いに行く約束した・・・あ!」
しまった。話してしまった。
「ついにお前の時代が来たか?」
「ちげーよ!年がら年中女子にきゃーきゃー言われてる奴に言われたくねぇ!ただ勉強教えてくれだとよ」
「お前そこそこ頭良いもんな」
「見下すな!暁よりも成績良いぞ!」
暁は何故か(顔も良いし、性格も良いし、家事もできる)女子に人気が高い。