短編集
つまり私好みのイケメンで、故に、同級生ではないと思う。兄的存在かな?
「あ、えっと学級委員長の星歌です。学校のプリント届けにきたんですが・・・」
やっば。下の名前がわからないぞー。なんて言えばわかるのかな。
などと焦りを感じていたが、向こうは、げっと何かやらかしてしまった時のような顔をした後、魂が抜けていくような大きなため息をつき、雲一つない青空を見上げ、しまったー。と口が動いていた気がする。そして半ば何かを諦めた顔をして私を見つめた。
「あぁ委員長さんか。プリントな。サンキュー。今日は担任じゃないんだな」
「会議がどうって言ってました」
「そうか。どうでもいいが。ってかなぜ敬語なんだ?」
「え、あれ?」
「俺、委員長と同じクラスだよな?」
「えぇぇ!本人だったの!?」
「気づいてなかったことに驚いたよ俺!?」
頭を掻こうとしてカチューシャに手が当たり、そこで閃いたかのように目が見開いた。
「あ、こいつのせいか」
カチューシャをとり前髪をおろしたとたん、髪で顔の半分くらいが隠れてしまい、よく顔が見えなくなる。
いつもの不登校君が私の前にたっていた。