大人的恋愛事情
 
薄明かりの照明に、アップされている髪が僅かに垂れ、細い筋の影を頬に落とす。



綺麗な女……。



単純にそう思えるほどの顔に、細くスタイルのいい身体。



少し冷たいような印象に見えるほどの美人。



媚びることもない女の乱れる姿など、確かに想像しがたいものがあり、同時に想像できないそんな姿を見たいという欲求にかられる。



薄く小さな唇が、カクテルグラスに触れるのを見ながら、誘ってみようかと考えだす。



どうせ二度とないチャンスだ。



当然断られるだろうけれど、もしかしたらもあるかもしれない。



酷く酔っているわけでもないけれど、酔っていないわけでもない。



ここまで付いて来たということは、今日は予定があるわけでもないのだろう。
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