crocus
太ももに当たる固い携帯の感触に気づけば、震える手すら気にもせず、ただ状況の説明と感謝の気持ちを伝えるためにボタンを押して文章を作った。
お前はどんな反応すんのかな?
これ以上かっこ悪ぃとこ見せて引かれたりしたら切ねぇな……。
つか……キツイよな。
そう思いながらも覚悟を決めて携帯の画面を見せると、若葉は瞳を左右に動かし黙読した。読み終えた若葉は驚きを顔に貼り付けた。
こんなこと白状されても反応に困るよな……。
琢磨は罰が悪そうに苦笑を浮かべて、空気を変えようと話題を探すも気持ちは焦るばかり。
チラリと横目に若葉を確認してみれば、口をへの字にして瞳を潤ませていることに気がついた。
おいおい、泣くこたねぇ……だろ……?
ついには目を硬く閉じて身を強張らせ始めた若葉。こんな反応をされたことがなかった琢磨はただおろおろするばかり。
頭をガシガシ掻きながら意味もなくキョロキョロと辺りを見回して狼狽えていれば、いつの間にか真剣な面持ちで前を向いていた若葉と視線が重なった。